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学術講演会『脊椎がんの治療』を開催

 
「学術講演会」  H31.2.17
『脊椎がんの治療』
講師 村上英樹先生 金沢大学付属病院整形外科准教授
2019年2月1日より名古屋市立大学整形外科学講座主任教授に就任

   平成31年2月17日(日)9時30分より白山市民交流センターAV講義室において、 標記学術講演会が開催され、講師の村上英樹先生が行っている次世代腫瘍脊椎骨全摘術(次世代TES)と呼ばれる最新の手術についてご講演いただきました。
      生涯の間に50%の人が、がんになります。がん転移の好発部位は肺、肝臓、骨(そのほとんどが脊椎)で、しかも、がん患者の30%の人が脊椎転移し、その内の5%に脊髄麻痺をおこしADL(日常生活動作)やQOR(生活の質)が低下します。 その後、寝たきりになるとがん治療を中止せざるを得なくなり、脊椎転移は末期ということになります。
     そこで寝たきりにさせないためにも脊椎転移の治療が重要になるわけですが、金沢大学付属病院整形外科では次世代TESを積極的に行い良好な成績を残しているとのことです。それは、腫瘍のある脊椎を全摘し、液体窒素で凍らせて脊椎骨を砕きケージに入れて脊柱に戻し再建するというものです。
     がんに侵された骨を凍らすとがん細胞は完全に消滅しますが、がん抗原はそのまま温存され、それを身体に戻すと患者さまの体にそのがん特有のがん免疫が活性化されるのです。 つまり、次世代TESは「腫瘍脊椎を全摘する根治手術とがん免疫を活性化させる免疫療法を合体させた手術」ということになります。
      ご講演では、手術を行った症例を挙げながら分かりやすくお話しされ、この手術を受けることで命を救われた方や延命できた方が、その恩恵を受けたことがよく理解できました。
      その他にも、非特異性腰痛原因と考えられる疾患や特異性腰痛の原因疾患について、重篤な脊椎疾患や重篤な疾患を疑う兆候など、基礎的なことについても詳しくお教えいただきました。 お忙しい中ご講演いただきました村上英樹先生のますますのご活躍をご期待申し上げます。

 
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