公益社団法人日本柔道整復師会
第40回北信越学術大会福井大会
平成30年6月17日(日)福井市のザ・グランユアースフクイにおいて、日本柔道整復師会
第40回北信越学術大会福井大会が開催され、県民公開講座や協賛研究発表、会員研究発表や実技発表、ランチョンセミナーが行われました。
県民公開講座
県民公開講座として、おおい町国民健康保険名田庄診療 所長 中村伸一先生が、「あなた を必ず幸せにする人生の幸福論」~地域医療と在宅看取りで学んだ事実~
と題してご講演がありました。
中村伸一先生は、自治医科大学を卒業後、医師3年目でおおい町の小さな診療所長となり25年目を迎えます。その赴任後から地域住民の方々と触れ合いを通して、一人の寝たきりのおばあちゃんの「死ぬまでにもう一度風呂に入りたい」との希望をかなえるために、地域の方々と「健康と福祉を考える会」を設立、地域全体を幸せにとの思いで活動を開始しました。
ご講演は、この地域の方々との在宅ケア、在宅医療を通して、たくさんの在宅看取りを経験し 学んできたことをお話しされました。 イチロー・カワチ教授(ハーバード大学公衆衛生大学院)の研究によると、日本人が長寿である理由は、ソーシャルキャピタル(地域における人的ネットワーク)、つまり「地域の絆」であり、その根底にあるのが親切(情け・利他性)であるということです。
中村伸一先生は、この地域に赴任後、四半世紀に渡り世代を超えて看取りをし、その結果「こんな生き方の人は、こうなって逝く・・・」を見続けてきました。つまり「生き方と逝き方」を見てきた。その生き方から、 幸せになるための方法として、
① 「笑顔でいること」 ② 「自分自身の中のポジティブ・ネガティブの黄金比3:1」が良い。 ③ 平均寿命と健康寿命の差があることから、「ピンコロは幻想にすぎない。介護する、介護されることを念頭に置くべき!」
④ 老夫婦の仲が良く、夫が高度認知症の妻を献身的に介護し、他人に任せることをしない「仲の良い老夫婦症候群」は悲劇に ⑤ 感謝する ⑥ 自分の「強み」を知る・活かす 強み診断ツール「VIS-IS」の活用
⑦ Three Goods Things 3つのいいことがあったことを何故それが起きたかを就寝前に書くことで抑うつとなる ⑧ 同じ地域で同じ人々を診てきたからこそわかったことがあります。
認知症になっても愛情を受ける人がいる、それは周りに愛情を注ぎ続けてきた人。 愛情を受けるために、まず愛情を注ぐこと。
とお話しをされました。
笑いあり涙ありの内容の中に、将来誰もが迎える「死」とそれまでに至る自分の中の「生き方」を再考したのではないでしょうか。
学術研究発表
協賛研究発表
北信越柔整専門学校 助教 吉浦耕平先生「撓骨遠位端骨折関節内骨折の保存療法選択」が発表され、同校付属クリニックにおいての橈骨遠位骨端骨折の関節内骨折6症例を提示し、保存療法の選択についての考察を発表されました。
会員研究発表
本会から中村茂之学術部長が座長として参加をし、高橋真哉会員が研究発表として 「ウォームアップにおけるダイナミックストレッチングの効果持続時間について」との演題で発表を行いました。発表は以下の通りです。
なお、発表の詳細につきましては、学会抄録をご覧ください。
石川県 高橋真哉 会員
「ウォームアップにおけるダイナミックストレッチングの効果持続時間について」
富山県 高崎光雄 会員
「膝蓋骨外側脱臼の3症例の治験」
新潟県 星真奈美 会員
「筋代謝から考える柔整徒手療法」
長野県 國友康晴 会員
「小胸筋ストレッチへの呼吸介入による筋柔軟性の変化」 ~超音波エラストグラフィによる評価~
福井県 糀谷大和 会員
「地域医療の資源として柔道整復師が存在し続けるための一方策
~整形外科専門医との連携の必要性~
実技発表
長野県 畔上英樹 会員
「小学生における足低アーチサポートの有効性」
ランチョンセミナー
講師 公益社団法人日本柔道整復師会 保険部員 藤田正一 先生
公益社団法人日本柔道整復師会 特別諮問委員 三谷 誉 先生
公益社団法人日本柔道整復師会 保険部介護対策課 川口 貴弘先生
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